コラム
コラム 2016.12.30

終わり良ければ、まぁいいか・・・

広告原稿用にあつらえた手書きの木札

いいお正月になりそうな空気に包まれて12月が終わります。

秋のハイシーズンが期待外れに終わってしまい、イヤ~な感じで今月を迎えました。地域によっては完全なオフシーズンに突入しているところもあるので、当然のことながらそんなにバタバタすることはありません。ただ幸いなことに、この年末年始に釣りに出かけやすい天候だと判るやいなや、あちこちから追加のご注文などもあり、いい感じのフィニッシュに。やはり仕事終わりは気分よく締めたいところですから、新年を目前にすがすがしい気分です。

振り返ってみると、予想しなかった出来事が非常に多い一年でした。
天候のことは良い時もあれば悪い時もあり、一年通してプラスマイナス0になればいいのですが、今年は完全にマイナスが勝った感。それに加えてアミエビの不漁で在庫はカツカツ。二次加工する商品とのバランスをとりながら、遣り繰りには神経を使いました。他にもイカやサンマなど身エサ関係の原料は獲れ高が少なく、とても釣り餌用には買えない高値のものが色々です。人間様の食用ですら調達が大変と言ってるのですから当然でしょう。また、ちょいと違った向きでの話では、宣伝活動でお世話になっていた釣り専門誌さんで休刊が複数あって、市場環境の厳しさを違う形で痛感しました。

とにかく今の世の中、様々な環境の移ろいが早すぎて「安泰」などという状況はほとんどないように思われます。大手の家電メーカーが大工場を新設した途端に、海外企業にシェアを奪われて短期間で閉鎖してしまうとかがいい例です。この日本で英知の集結する大企業ですらそれですから、本当に読めない世の中なんだろうと。経済ネタのテレビ番組なんか見ていると、時流に乗った企業のサクセスストーリーを上手く言葉で讃え、逆に高いところから下落に転じた企業は批判してみたりという相変わらずの風潮があります。

「成功(失敗)のキーワードは〇〇〇ですね」

なんて言葉を以前は気に留めたこともありましたが、最近ホント関心がなくなりました。だって後になったら何とでも言えるからです。そんな一言で片付くなら苦労せんわな・・と。

そんな乱世の中、天候にもやや恵まれなかった一年だったのに、何とか恰好のつく形で年を越せるのは、やはりエサ釣りの底堅さなのでしょうか。確かに爆発的には売れません。プレミアがつくこともありません。ネットでポンと買える利便性もありません。しかしそれが無いと始まらないという人には確実にお買い上げいただけるのです。本当にありがたい!

次の一年どんなことが起きるか予想できませんが、エサ屋の本分をきっちりと全うし、必要とされる品物をしっかりと供給させていただきたいと思います。

来年も楽しい釣ができますように!
2017年も「釣らせ名人」浜市の釣り餌をよろしくお願い致します。

※写真は広告原稿用にあつらえた手書きの木札。お寿司屋さんなどのネタ札を書く本物の職人さんによる仕事ですが、この時代だからこそ敢えてアナログで。どこまでもアナログなエサ屋稼業にはお似合いかな。