蒲焼にふと思う・・
スカッと夏空に成りきらずに7月が終わります。
例年より随分と早い梅雨明けで、ちょっと狂った季節感。近畿圏では釣りのできる日数は多かったのですが、ここへ来て各地で起きた集中豪雨は本当に気の毒としか言いようがありません。毎年繰り返される近年の洪水は、本当にどこで起きるかわからない予測不可なもの。災害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。
さて写真は今月某日に食した弁当チェーンの「うな重」。土用の丑の日があった今月はウナギに関する報道がやたらと多く見られました。もちろんお題はその減少ぶりと価格の高騰です。普通に考えても、自然に存在する生き物を「食味」という人間の勝手な概念で、特定の種類だけ大量に捕獲してるわけですから、居なくなるのは当然であります。それがマグロやウナギのように人気の高いものになれば、このような大騒ぎ。マグロは安定した完全養殖へ着々と歩が進んでいるようですが、ウナギはまだまだ。生態そのものがミステリアスなだけに、相当な時間を要することでしょう。このまま減り続けて、一部のお金持ちだけが食べるものにならないことを祈るばかりです。
こういう問題は魚釣りとて同じ事。現在釣りのターゲットになっている魚で、資源の先細りが心配されるものは多々あります。いや、安泰などというものはないはずです。もちろん釣りだけが原因で減ってしまってるケースは多くないのでしょうが、魚ありきの世界なだけに、その将来にはますます真剣に取り組まねばならない時が来ているようです。個人的な意見で言えばリリース云々も魚のダメージを考えたらそれほど効果的とは思えず、それなら不要な大釣りの回避が先かと。それプラス稚魚の放流で効果のありそうな魚種をもっと積極的に増やす努力でしょうか。稚魚の放流自体は本来の自然の摂理に背くものではありますが、大阪湾のチヌのように、長年の効果が現れた例もあります。近年増えだしたサワラも恐らくそうでしょう。
いずれにしても人間は本当に身勝手な存在で、それを生業としている我々は、エサ以上に多くのお魚さんに感謝せねばなりませんね。