秋が行っちまった・・・
完全な冬モード突入で11月が終わります。
ひと月前に「長い秋を・・・」と願ったのも束の間。近年よく言われる「春と秋が短くなった」という傾向がさらに加速した感があります。今年の気温が下がっていくパターンは紅葉には良かったようで、10年に一度のレベルだったとか。確かにニュースなどで紹介される名所の紅葉は色鮮やかで、テレビの画質向上も相まって、本当にきれいなものでした。京都や奈良は大賑わいのスポットがあったようですが、何だか早仕舞いとなったエサ屋稼業としては羨ましいかぎりです。
さて、釣りのスタイルがますます多様化する中で、釣り全体の中でエサ釣りの占める割合は確実に下がっています。これは誰しもが認めるところでしょう。ルアー釣りの隆盛で従来の根こそぎ大漁型の釣りから、一匹ずつを楽しみながら釣る方法への移り変わりも見られます。船でのイカ釣りやアジングなどは典型例でしょうか。そういう流れを考えると、弊社の業容は悲観的に見えてしまいますが、完全にルアーに凌駕されるのかと言えばそれも違うと断言できます。
今年の春に完成したカタログの冒頭
「やっぱり、エサはよく釣れるのだ!」というキャッチコピーを打ちました。
決して負け惜しみではありません。やはりエサでないと釣れない局面があるからなのです。
最近の釣り界において良い意味で成熟してきたなと感じることは、ひとつの釣趣にこだわらず、またルアーもエサもどちらもやるという釣り人が増えていること。以前のようにどちらかを「絶対やらない」と頑なに拒絶する人は相当少なくなっているでしょう。例えばルアー(ジギング)をメインに営業している船でも、エサが圧倒的に有利な局面も想定して、どちらもできるような道具立てをユーザーに勧めたり、エサを用意する船が増えています。弊社のアイテムで言えば、去年発売を開始した一つテンヤ用のエビが、おかげ様で好調な売れ行きを呈し、この秋からは別の産地からもエビを調達せねばならないレベルになりました。
何が王道だとか邪道だとは言わず、その時に釣れる魚を、釣りやすい釣法でという流れを弊社としても大事に捉えていきたいところです。
写真は大阪・難波の活け魚料理店。プール状のいけすに泳ぐタイやヒラメを引っ掛けで釣って活け造りにしてくれるサービス。聞くところ主に子どもや女性のお客さんがやりたがるといいますから、こんなところにも入門へのキッカケがあるのかも知れないですね。