コラム
2009.05.31
騒動とメディア
弊社から車で20分ほどの田辺湾に迷い込んだマッコウクジラ。
今月14日に発見され半月が経ちました。当初は東京のテレビ局も多数取材に来られての大騒動。かつての矢ガモや崖っぷち犬のような大々的な報じられ方です。ところが翌日に神戸そして大阪で新型インフルエンザ感染者が見つかったというニュースが広がると事態は一変。18日の月曜あたりからはクジラ報道は一気に少なくなり、広域のメディアではほとんど報じられなくなりました。当然と言えば当然です。
しかしその陰で、ほぼ瀕死の状態と言われていたクジラは予想に反して湾内を小刻みに移動し、係留中の漁船やボートは近隣の港に避難。また状況を見守り、野次馬の不法駐車を監視にあたる役場の職員さんも増員して大変です。
この写真は22日の金曜日に商用で大阪からやってきた業者さんが写したものですが、彼曰く「大報道も何日目かには虫の息と報じた後、さっぱり続報が無かったから生きてるとは思わなかった」と。まさにメディアの持つ力と危うさを思い知る次第です。
さらに一週間以上が経って、本当に衰弱が進んでいるというクジラ。一旦迷い込んで外洋に戻るにはちょっと複雑すぎる田辺湾の地形かなぁ・・・。