コラム
コラム 2022.09.30

タチウオは釣れてるのに・・・

今週末も遠くに台風を見ながら9月が終わります。

9月と言っても近年はますます残暑厳しく、なかなか秋めいてこなくなりました。それでも釣り業界的にはベストシーズンの入口として活気づくもの。それがこうもキッチリ毎週末に台風がやって来ると、さすがにどうにもなりません。当然、地域によって釣りができる日数に差はあったでしょうが、概ね何処も期待外れのはず。まあ天候は不可抗力なだけに、クヨクヨせずにひたすら前を向くしかないのです。ただ過去の例をみても、このような天気の廻りがふた月も続くことはほとんどなく、きっと次月は好転するでしょう。

そんな数週間だったので、季節なりの魚が釣れているのか?いないのか?イマイチ掴みきれていないのが実情です。その中にあってタチウオだけは相変わらず好調の様子。大阪湾の遊漁船情報でも、とりあえず船が出られさえすれば数十匹の釣果が当たり前のようにみられます。実にありがたいことですが、釣れすぎてる?ように感じるのも事実。実際、多くの魚種は資源的に減少傾向にあるはずで、エサにするための小魚やイカの調達に年中ヤキモキしている身としては、漁師さんも獲り、釣り人も陸から、船から凄い数を間引いてる「超人気魚」のタチウオが、ずっと釣れてくれているのは本当に不思議なのです。ある程度は共食いしつつも、他の魚種に比べて海の中に敵が少ないのかもしれませんね。

実はこのタチウオ市場に関して、新たな難題が発生。それは主に波止釣り用で需要の高まっているキビナゴの原料不足です。船のテンヤに使うイワシは現状どうにかなりそうですが、イワシに比べ漁獲地も限られたキビナゴは各産地で獲れ高が下降気味。精一杯の努力をしつつも、キープできている量はかつてない低水準となりました。できるだけ末端ユーザーさんへの影響を小さくするために、当面は現在人気の高い染色したタイプを中心に製品アイテムを絞り込むことになりそうです。同時に調達の努力も継続しますので、ご理解のほどお願い申し上げます。

さて、反撃の10月となりますように、皆さんも9月の鬱憤を晴らすべく良い釣りを!