コラム
コラム 2013.10.31

自然の仕組みが分かってりゃあなぁ・・・・

イワシ

台風ラッシュもようやく収まり10月が終わります。

この夏以降、次から次へと発生した台風は今月最後の週末にダブルで日本に接近するという珍現象。紀伊半島の海沿いに構える弊社にも緊張が走りましたが、最後は遠目の洋上を抜けてくれたので難を逃れました。但し、ハイシーズンに釣り人が動けない日がたくさんあったのは本当に痛手。明日から暦は11月に変わっても、水温はまだまだ高いので巻き返しに期待するしかありません。

さて先週来、新聞やテレビを賑わせている食材の偽装問題。またかという感じでウンザリです。とはいえ、世間様が騒いでるウンザリと私のウンザリはちょっと違うのかなと。メディアやコメンテーターが声を大にして言うのは、産地や品種を偽って売るという行為に対する非難。確かに良くないことではあるわけですが、私の視点はここではありません。

こんな騒ぎに関係なくずっと前から思っていたのが、例えば○○牛だとか関アジ、関サバがどこかしこでも売れるほど獲れる、あるいは生産されてるはずがなかろうと。だます方も確かに悪いですけど、受け取る側がもう少し自然や生き物のことを知っていれば、こんなことにはならないのではないでしょうか?

おそらく高度経済成長期以降に育った人々は、農水産業に触れる機会がガクンと減り、それらの生産現場を知らないはずです。それを育てたり、獲ったりすることがどれほど手間なことか、そして資源的な限界をある程度想像できれば、そもそもこんな事にはならないというのが私の見立てです。そんな根本を知る由がないのをいいことに、いかにも美味しそうな売り言葉で客の気を引くことが当たり前になってしまったのが、今の世の中なんですね。「ウチのホテルでも偽装、誤表示がありました」と報道もまだまだ連鎖が続いています。この根本のところを突いて黙らせてくれる人はだれか居らんのでしょうか?

写真は地元・南部堺の港で買い付けたイワシ。いつも必ず同じ産地だけで獲れるとは限らないので、どの製品も具体的な産地を誇示したりはしていません。お客様を騙して自業自得にはならぬよう、これからも信用第一です。