グレ釣りシーズンイン直後のエサ戦略
今季の試し釣り 鹿児島~熊本2ラウンド
住田雄司さんのレポートです。
さあ、始まりました秋磯のグレ釣り。とはいえグレ釣りのシーズンではなかなかタフな時期。それはグレとの駆け引きの前にエサ取り達との闘いがあるからです。とりあえずは今季の試し釣りとなった甑島(鹿児島)と天草(熊本)への釣行をレポートします。
【海水温28℃】
九州の表層海水温は夏季後半になると30℃に達します。9/11甑島での試し釣りは台風一過、海水温が3℃下降したとのことでしたが、実測は28℃を記録しました。そうなると南の厄介なエサ取り(オヤビッチャ)達の元気いっぱいな猛攻にさらされます。実はこの日、半夜釣りで前半船釣りを楽しんで、先ずはマダイをゲット。グレ釣りは朝の短い時間だけテスト釣行として降りてみたのでした。さてグレはいるのでしょうか?
瀬はグレ釣り本シーズンを占うかのように毎年鹿児島県の甑島「サイヤマ」という地方の瀬から始めています。シーズン初日は一切エサの入っていない海ですからまずはマキエを撒きながら様子を見つつタックルを準備していきます。マキエは「鬼集フカセ」+「鬼集アジパニ」+オキアミ生+「イワシ三昧」or「サビキ三昧」に遠投力調整用として「むぎぬか」を混ぜたものです。
そのマキエを入れて一投目、腹を空かせていたオヤビッチャに小さなイスズミと尾長グレが数百匹の大群で辺り一面を覆いつくしました。
【エサ取りの行動を見極める】
今回の試し釣りに使える時間は1時間のみ。そこからグレ1匹を引っ張り出そうとマキエワークで工夫してみます。時間があるならエサ取り達にたっぷりマキエを食べさせ大人しくなるのを待つものですが、時間の余裕はありません。それぞれのエサ取りの行動を手早く見極め、対策を講じます。マキエを打ち始めてしばらくすると、打つタイミング・量・場所でエサ取り達に行動パターンがあることがわかります。そこでツケエを投入するタイミングを決めていきます。どの時にどの位置へツケエがあればよいのかが分かればグレとの出会いが必ず訪れるのです。また、エサ取り達の猛攻から少しでもハリ残りしてくれるツケエを使うことも大切です。それからツケエを取られた際にその繊細なシグナルも出るようなタックルを組むことも重要なファクターでしょう。素針で仕掛けを流すと絶対に釣れません。そのチャンスロスを招いては時合がすぐに終わってしまいますから、そこはこだわりたいところです。
この日は、アトミックスライダー磯1.3号の繊細なナイロン道糸に釣研ツインフォースという2段ウキの仕掛けでアタリをしっかり目で取る仕掛けです、ツケエは「GクリルWパック」のヅケエで挑みました。
ヅケエとはツケエ用のオキアミに集魚剤を絡めてパワーアップしたもの。結果、ごく短い時間の中で40センチクラス3枚に37センチ前後4枚を釣り大満足。これからまだ釣れるだろうというなか回収でしたが、次へ向けて期待できる内容で納竿としました。
最後にもう一つ工夫していたことをご紹介。それは、マキエのブレンドです。細かい粒子で比重の軽い「鬼集アジパニ」を小型のエサ取り用に使用し表層へ釘付け、グレはしっかりタナをとり全層対応の「鬼集フカセ」で誘って喰わせました。それぞれの機能を上手に使ってエサ取り対策に役立てた釣り方ですお試しください。
ちなみにその後日開催されたWFG予選会(=9/25熊本・天草「コシキ瀬」)も全く同じ釣り方で入賞。高水温期も工夫次第で釣果は変わりますね。秋も深まるごとに期待も膨らみ、ハイシーズンが楽しみです。